見上げれば満天の星空。
宝石を散りばめたよう。
私の心は一瞬にしてその美しさに心を奪われてしまった。
『うわぁ〜。綺麗!!』
子供ごころに手を伸ばせば掴めるのではないかと思ってしまったほど。
白、金、赤、青、などの等級の違う様々な星々の輝き。
これがよく物語の中でも語られている宝石を散りばめたような空かぁ〜。
その星空だけで幸せいっぱいになった子供のわたし。
これから日付が変わって新しい年の始まりに近くの神社へ初詣にと自然豊かな祖父母宅から家族総出で行こうというのに、わたしは一歩もそこから動きたくない気持ちと格闘しなければならなかった。
吐く息は白く歩いて体を動かさなければ忽ち冷えてしまいそうな夜。
夜空を見上げながら歩いて行けない寂しさを感じつつも家族と夜道を歩いていく。
長い階段を登って行き、そろそろ脚が重たく感じ始めた時に氏神様を祀っている神社に着いた。
ご近所の方や帰省している親戚の方々など大勢の人でいっぱいだった。
その後のことはあまり記憶にない。
覚えているのはお参りを終えたあと星を眺めたい思いは薄れ床につき朝を迎えたことだけ。
それでも大晦日から日付が変わり新しい年の始まりに見上げた夜空の美しさは幸せな思い出のひとつ。
いつの日か、再び見上げてみたい満天の星空を。
大切な友と共に。