今週のお題「ゾッとした話」
本当に起こった出来事です。
二十数年前のこと。
当時わたしが車通勤していた時の出来事。
自然が豊かな地域だったこともありキジやタヌキ、鹿など野生動物に出くわすこともある。
その日も通い慣れた道を車で走っていると道路に丸めたロープが落ちていたのでタイヤで踏みつけるのも嫌だったから踏まないように跨いで通過して何気なくバックミラー越しに後方を確認したら、、、。
なんと、とぐろを巻いた蛇だった。
その時は轢かなくて良かったと胸を撫で下ろしたが、同時に何か嫌なものを感じたが気のせいだと自分に言い聞かせて仕事先へ向かった。
その日は特に問題はなかった。
しかし、その日の晩に夢の中で知らない紳士が出てきて、わたしに低い声で言われた内容に恐怖した。
『わたしを車で跨いだのはお前だな。許さない。』
その夢を見たあと胸騒ぎは収まらなかった。
祟られたのかも知れない、そう思うと不安で堪らなかった。
その出来事から数日間は本当にツイていない事ばかりで変な話だが何をやっても上手くいかず、どうしたものかと悩んでいた。
そしてその状況はさらに悪くなるのではないかと思えて仕方がなかった。
一週間後、あの蛇を跨いだ道路を再び車で走っていた。
蛇がいた場所に差し掛かろうとした時に一匹の黒猫が車の前を横切った。
その猫は一般的な猫よりも二回りほど大きくて逞しい印象の猫だった。
黒猫は縁起が悪いと言われることもあるが、クロネコが前を横切ると悪いものを一緒に連れて行ってくれるというジンクスを聞いたことがあって、わたしはそれを信じていた。
不思議な事は有るものだと実感したのはその夜のこと。
夢の中で、人間の姿をした蛇の紳士にあのクロネコが威嚇して追い払ってくれたのだ。
そして、わたしに『もう大丈夫だ』
そう言って去って行った。
それからというもの夢の中で言われたことは本当なのではないかと思うほど色々なことが好転していった。
蛇は縁起が良いと言われるけど、時には違うこともあることを知った。
そして反対にクロネコも縁起が悪いと言われることが有るが、全てがそうでは無いと思った出来事だった。
不思議な体験をした話です。